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□08.
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雨に濡れるのも厭わずに甲板に転がっていた五人の中から、ナミが身体を起こしながらわかったと呟く。
「やっぱり山を登るんだわ」
「まだ言ってんのかお前、そんなこと」
「海流よ」
確信を得た表情で、皆に話すナミの考えに間違いはない。説明を聞いて頭の良い娘だと、気を失ったウソップを介抱しながらランセは思った。
「―――海の藻屑ってわけ…わかる?」
「ははーん。要するに“不思議山”なんだな?」
「まあ、わかんないでしょうけど…」
自信たっぷりに言うルフィに呆れながら遠い方を見る。その後ろでは例に漏れずサンジがハートを飛ばしてナミを讃えている。するとゾロが口を開く。
「聞いたことねェよ、船で山越えなんて」
「俺は少しあるぞ」
「不思議山の話か?」
「不思議山と決まった訳では、」
ルフィの言葉が移ったのか、ゾロまでも不思議山と言うのにランセが小声で突っ込みをいれる。どうやら聞こえなかったらしく、サンジが話を続ける。
「いや…“偉大なる航路”ってのァ…
入る前に半分死ぬと聞いた」
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