シカキバ

□気持ちの意味
1ページ/4ページ



人気の無い階段を降りる音が単調に響く。
犬塚キバは気だるそうに階段下を眺めた。
人通りは少ないが、この階段を抜けるとすぐの所にアカデミーがある。

季節は徐々に秋も中頃へと移り、乾燥と晴天の冬に向けて最後の力を振り絞る様に空は曇り、度々雨を降らせていた。

今日もまた空は曇っていて、しかも微妙に肌寒い事もあり、キバの気分は落ち込み気味だった。
その上横暴な紅に強制的にアカデミーへの用事を押し付けられては気分は沈むどころじゃない。
―――赤丸と走ろうにも天気わりぃしな。
溜め込んだ溜め息を吐き出して、キバは歩を進める。
階段を降り、曲がり角を曲がればアカデミーはもう目と鼻の先、という所でキバの足がぴたりと止まった。
踏み出しかけた足を引き戻す。

曲がり角の向こうには、友人奈良シカマルとテマリの姿があった。




何だよもしかして修羅場?しかも外で。
壁の陰に身を隠し、好奇心丸出しでキバは二人の様子を眺める。

砂の上忍が何で木ノ葉に?
浮かんだ疑問はすぐに霧散した。
テマリは砂の外交担当。
シカマルは中忍に昇格以来頻繁に綱手から雑用を言い渡されているためだろう。


.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ