Event Novels

□『Easter』
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そんな風景を眺めていた ロイはふと自分が、イースターについてあまり
知識が無いことに気が
付いた。


卵に絵を書いたり、その中にお菓子が入っていたりと、そういう事は知っている。



だが、それ以外に何かするのだろうか?



横を見れば丁度歩く辞書が隣に居たことに気が付き、ファルマンにイースターについて聞いてみると思った通りの答えが返ってきた。



「そうですね、子供たちは卵に模様を描いて飾ったり、お菓子やおもちゃの入ったイースターエッグを探したり、卵転がしレースしたり…ですね。まぁ、実際はキリストが予言通りに復活したことを喜び祝うのですが、国によっては春が来た喜びも祝うそうです。
それと、ウサギの着ぐるみを着たイースターバニーも登場するそうです。春は繁栄の意味もあるので、卵や子供をたくさん産むウサギがイースターね主人公として登場するそうですよ。」



さすが歩く辞書と言われるだけあって、しっかりとした知識が脳にインプットされている。



ほぉと、感嘆の声を上げると自分以外にもその声を上げた人物がいた。




「イースターバニーか」

「「…!?」」




振り返るとそこには、
にこやかな表情の大総統



「いや、実に良い事を
教えてもらったよ。
そのイースターバニーとやらは君が手配してくれたまえ。宜しく頼んだよマスタング君。」





と、事の成り行きをホークアイが教えてくれた。



そして今回、貧乏クジを引いたのがハボック・
ブレダ……そしてオレ。



オレ以外の二人は既に
ウサギの着ぐるみに着替え庭園……基、練兵場で子供たちに卵やらお菓子を配り歩いているらしい



更衣室の入れ違いで見かけたハボックは白ウサギの着ぐるみ、ブレダは
何故かアリスに出てくる時計ウサギの扮装をさせられていた。



(一体誰の趣味だ?)



しかしその可愛いらしい見た目と違い、朝から出ずっぱりの二人の顔には疲労の色が浮かんでいた


ハボックはタバコ臭いと子供が近寄らないからとホワイトから一日禁煙命令が出され、ヤニ切れなのか若干イラついいるようだ。

ブレダに至っては、子供たちに追い駆け回されいい加減休憩させないと倒れてしまいそうだ。




出来ることなら代わってやりたい!やりたいが…

この格好で表に出たくないっ!!




「……なんで、なんで
オレだけメイド………」

「あら、似合ってるのに」



相変わらずニッコリ笑うホークアイに為す術が無い。



「でもコレ短くない?」



スカートの短さが気になって聞いてみるも……



「そうかしら?コレくらいが丁度だと思うんだけど」



意に介さない




馴れないスカート。

況してや丈が短い………いや短すぎだ。

膝上10cmぐらいだろうか右足のオートメイルを
カバーする為に履いている白のニーハイソックスのお陰で余り肌の露出はないが、普段スカートを穿かないから足元が心許ない。

裾をぐっと引っ張ってみても丈が変わる訳も無く 逆にその仕草を、髪を
梳かしていたホークアイに見られクスクスと笑われた。




「わ、笑わなくてもいいじゃん!大体オレがこんな格好しても、気持ち
悪いだけなんじゃ……」

「そうかしら?とっても可愛いわよ。
大佐あたりが見たら卒倒するわね……」

「えっ、何?」

「なんでもないわ。さぁ出来たわ。後はこのバスケットの中の卵を隠してきてくれる?」



手渡されたバスケットの中には、様々な模様が
描かれた色とりどりの卵がたくさん入れられている。



「午後から来る子供たちの為にまだたくさん用意しているからお願いね」

「あ、ハイ……」




ニッコリ笑って部屋から追い出された。





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