小説T

□ぶつかり合う額とかち合う吐息
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ぶつかり合う額とかち合う吐息
〜Title by Fascinating〜


昔から馬が合わないとは思ってきた。
だが、認めている部分も少なからずあった。幼馴染みという腐れ縁は、良い所も悪い所も知ってしまうものだ。

俺から仕掛けた頭突きを、奴は受け止めた。

ぶつかり合う額、至近距離のまま話を続ける。
引いてしまえば敗けとばかりに、お互い押すことは合っても引くことは無かった。

負けず嫌いなところがよく似ていると笑われたこともあるが、仁也に似ているなんて言われても吐き気しか起きねぇよ。

仁也は漆黒の不良と言われている。黒髪に黒目、うちの学ランは黒。白い肌以外は黒のコイツはアホみたいに喧嘩が強い。

対する俺は、金髪と紫のカラコン。制服なんて着てられるかとパーカーだ。
喧嘩は仁也と互角かそれ以上だと思っているが、この数年は殴り合うことも無かったから、実力差は分からない。

これは久々に吹き掛けた喧嘩だった。


「テメェ、どういうつもりなんだよ」

変わらぬ身長の為、目と目はすぐそこだ。
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