小説V

□つみびと―if―
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矛盾する『こころ』

治郎×子鞠への3つの恋のお題:どうしたら俺のものになる?/交わした約束/願い事、ひとつ http://shindanmaker.com/125562

忍び込んだ妹の部屋。
あどけなさの残る寝顔に手を伸ばした。一瞬、煩わしそうな表情を見せるが起きる気配はない。

愛でたいこころと、壊してしまいたいこころ。矛盾する二つの想いに口角がつり上がる。

「俺のものになれ」

溢した言葉は願い。

手に入らないのならば殺してしまいたい。誰も奪うことを許さない。

もしもお前がその小さな手を伸ばして来たなら、何だって叶えてやろう。

願い事は一つ。
お前の瞳に俺を映せ。
俺という存在を忘れるな。

一生涯忘れさせない。

「お前が生きるも死ぬも、俺次第だ。こんな愉快なことはない」

愛という毒に犯された青年は、噛み付くことでしか伝えられなかった。
早く己と同じように毒が回れば良いと、子鞠の首に触れる。

そこでやっと目を覚ました妹は、驚く様子も見せず、言葉も発しない。


「俺のものになる決心はついたか?」


問い掛けへの返事は一つしか受け入れない。

お前は俺のものなんだから。




お題はTwitterから。交わした約束は子鞠とではなく、自分自身と。(2011/9/12)
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