番外的に…

□お気に入りの場所
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…いったい



自分が何をしたいのか?



自分が何者なのか…?



そんな事を考える毎日に

イライラ、クサクサする。



馬鹿にされるのが嫌で、虐められるのが嫌で、覚えた喧嘩の仕方。



気付けば、私は皆に一目置かれる存在になり

皆一様に私から一線距離を置いているのを感じていた…。



それにまた苛々が募る…。



屋上へのドアを開け、自分のお気に入りの場所に向かうと先客がいた…。



アイツまた…



私はそこへ近付くと

足下へ横たわり気持ち良さそうに寝息を立てる

まだあどけなさの残るその顔をジッと見下ろす。



何なのコイツ…

最近いつも居る。



ココは私の特等席だって何回教えてやったら分かるのかしら…?



少し呆れを感じながらも、自分の縄張りを占領された事への怒りの方が先に立ち

長く伸びた足を力任せに蹴り上げた。



「ってぇな!なんだってんだ!?」



安眠を妨害された驚きに、見開いた目つきは悪く

さっきまでのあどけない表情は何処かへ影を潜める。



「…お前、ココは俺の場所だって何回言ったら分かんだよ?」

「んあ?何言ってやがんだ!!だからお前の場所とか決まってねぇだろ!?名前でも書いてあんのかコラァ!!」



威勢良く噛み付いてくる、そいつの頭を鷲掴みにすると

ムリヤリ立ち上がらせる様に体を引き摺り



「口の減らないガキだな?俺が俺のつってんだ、俺のに決まってんだよ!!」



頬に一発拳をお見舞いしてやる。



…冴島由紀

私が三年に進級した年、この神蘭学園に入学して来た。



梅咲夏男…

この学園に私の名前を聞いて刃向かってくる馬鹿は居なくなっていたのに…。



何なのコイツ…



殴っても、殴っても

私に向かってくる…



挑発的に私の特等席を陣取って、懲りもせずに喧嘩を売ってくる。



訳が分からないわ…。



生意気なクソガキは私の胸ぐらを掴むと、反撃しようと拳を振り上げた。



ついこの前まで中坊だった奴にヤラレる訳がないでしょ?



振り上げられた拳を掴むと、脇腹に蹴りを入れた。



「ぐは…っ!!」



クソ生意気な冴島由紀はガクッと膝を折りながらも、胸ぐらを掴んだ手は離さずに

シツコク私に食らい付いてくる。



本当に…何なのよ…。
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