ANOTHER


□A HAPPY NEW YEAR
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「お正月の過ごし方?」


「ああ」



こくりと頷く刹那に思わず目を丸くする沙慈。


部屋から出てすぐ、珍しく声をかけられたと思ったらそんな内容だったのだ。驚くのも無理はない。

そう考えつつも刹那は答えを待つ。


真っ直ぐな瞳にうろたえつつも、真面目な沙慈は口を開いた。



「えっ…と……おせち食べたり、お年玉もらったり…あ!あとは初詣かな」


「初詣?」



それはなんだと首を傾げる刹那に説明してやる。



「年明けに神社なんかにお詣りに行くことだよ」


「…そうか」



そういえば外国から来たんだもんね、との言葉にまた刹那がこくりと頷く。



「呼び止めてすまなかった」


「いや、大丈夫だよ。初詣行くなら気をつけてね。ものすごく混んでるから」


「ああ」



「刹那!」


「あ、ニール」



2人が別れようとした時、丁度ニールがエレベーターから降りてきたところだった。



「お、刹那のお隣さんか」


「あ、はい。沙慈・クロスロードって言います」



言いながらぺこりと頭を下げる。



「俺はロックオン・ストラトス。うちのきかん坊が世話になってるな」


「いえ、そんなことは…」


「ニール!」



ニールは刹那の声に「あぁ、悪い」と答えてふっと微笑し、



「じゃあ、行ってらっしゃい」



と沙慈に声をかけ、刹那と共に部屋に入っていった。




「……………」



一人残された沙慈は考えた。



「…お兄さん……じゃないよなぁ……」





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