腐男子くんの憂鬱−只今加筆修正中−
□腐男子くんの悩み
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<プロローグ3>
僕の兄の名前は、宮嶋 疾風と言います。
年は、僕の五つ上で、21歳。
父さんの会社の関連会社。
海外支部で働いてます。
一応、そこの社長さんらしいです。
大学にも行ってるらしいのですが、海外支部に勤務するようになってから、留学したりスキップしたりしていて、今何年生なのか、僕にも正確な事は分かりません。
顔は、父さんに、すごく似ています。
でも、髪の毛と目の色は母さん似で、真っ黒です。
そこだけは父さんに、いつも褒められます。
ちなみに、僕は父さん似の茶色の髪の毛です。
兄は、小さい頃のトラウマのせいで、極力、両親と関わりたくないみたいです。
父さんの会社も、わざわざ海外支部選ぶあたりが、兄らしいなと思います。
実はその時、一緒について来てほしいと散々言われたんですが、海外ではBL本とか手に入れにくそうだし、第一英語が話せないので、結局着いて行きませんでした。
おかげで、部屋にはカメラ付きPCを置かれ、毎日毎日、兄からメールを貰い、日夜電話攻撃をされています……。
決断は間違ってなかったと、今でも思うんですが……なんだかすっきりしません。
兄は、ブラコンなところがあり、小さい頃から酷かったのですが、最近では、僕を恋人と勘違いしてるのか?と、思う事が良くあります。
会えなくて寂しい、だの
早く一緒に暮らそう、だの
そんな文が、メールで来ると、弟としてはちょっと引きます。
むしろ、ちゃんと仕事をしてるのか心配です。
それに、海外に行ってから、ますます愛情表現がおおげさになってる気が……。
返信がそっけないと、最近は、もっぱら怒られています。
別に返信したくてしてる訳じゃないのに…。
なんだか理不尽です。
ああ、話がそれちゃいましたね。
それで今回の最大の問題は、この兄が、自分が住んでるシアトルのハイスクールに、僕が通うと思い込んでいた事なんです。
兄は、かなり思い込みが激しいので、気がついた時には手遅れでした。
それが発覚したのは、先日、家に届いた郵便物からで、兄の秘書さんから突然でっかい封筒が送られて来て、めずらしいなと開けてみると、海外の高校を受験する書類やパスポートの申請書類が、どっさり入っていて、僕は思わず書類を凝視しました。
ええええええっ!!!
僕、こんなの頼んでないのにっ!
慌てて、カメラ付きPCで兄に確認すると、なぜかちょっと照れながら、「自分が手配した」と、説明されてしまいました。
更に慌てて、日本の高校を受験した事を告げると、突然回線が切れて、それ以降、兄と連絡が取れなくなってしまいました。
……入寮日の今朝ですら連絡が取れていません。
困った僕は、父さんに相談したのですが、未だに兄の足取りが掴めないそうです。
飛行機を乗った事までは分かってるので、余計に嫌な予感がします。
念の為、今日は父さんが学園まで送ってくれることにはなってるのですが、朝から不安でたまりません。
これで分かっていただけたでしょうか?
今、僕が抱える問題を……。
無事に入寮出来る事を、祈るばかりです。