腐男子くんの憂鬱−只今加筆修正中−

□腐男子くんの入寮
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<学園探索!3>

「はぁ…はぁ…あっ…あのメッっ!」

メッ?
あれですか、ワンコ店員さん、可愛い女の子が男主人公に可愛く怒るあの萌え語ですか?

不思議に想いながら首を捻ると、ワンコ店員さんの迷走は頂点を極めた。

「メッメッメッ…あークソっ!!」

!!!!

可愛い純粋ワンコちゃんから、すごい乱暴な声がっ!!

なんだったんだ、今のブラックワンコは…。
僕の見間違いでありますよーに…なんだか嫌な予感がする……。

もうBADENDルートは一個入ってるからこれ以上は無いと思いたいけど……。

どんっ!

商品棚の影に引っ張られ、いきなり両脇に手をつけられ密着される。

ほら、よくBL漫画にある、ウサギちゃん逃げないでの構図(今、僕が考えました!)。
もしくは、キスするぜ、五秒前!なポーズ。

僕の顔は真っ青になる。
もしかして…またBADENDですかっ!!

あわわわ…口から泡が出そう…。
密着されてるせいか、米崎さんから、大人な香りがする。
香水と煙草の匂いが混じった、なんだかハードボイルドな匂い…。
ワンコは煙草は吸っちゃいけません!!ってそうじゃなくて、なんか顔が近いので恥ずかしいのですが…。

「翔って…呼んでいいですか?」

断わったら、即キスな雰囲気に、僕は一も無く二も無く、「はい」とすぐに返事をする。

ああ、髪の毛が、頬に当って、なんかむずむずするんですがっ!!
緊張で変な痺れがっぁぁ!!

「翔…携帯の番号とメアド教えて?」

ゆっくりと、低い声で、一語一語噛み締めるように言う米崎さん…。
なんですか、このタラシな雰囲気。
しかも最期は、ちょっとだけ可愛いワンコで言うなんてレベル高いです!!

僕が、女なら即抱いてーな雰囲気に、気がつくと携帯の番号とメアドを、ほいほいと米崎さんに教えてました。

教えてる時も、僕の匂いを嗅ぐように、顔を首筋、頬、髪の毛と近づかれて、分かんないですけど、ノーマルですけど、なんか気持ちよくなってましたぁああ!!

最期は、お行儀の良いワンコに戻った米崎さん。

僕は、ぼーっとしながらその場で一緒に写メを撮り、なぜか待ちうけの画面に設定されて、その場を後にしました。

自動ドアから出た外の景色は、入った時と一部の変わりもなく同じで、あれ?今心の中のBL妄想ワールドにトリップしたのかな?と思ったんですが、携帯の待ちうけには確実にワンコスマイルの米崎さんと、放心状態の僕が居て、夢じゃなかったと思いました。
もう訳が分からないです……。
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