腐男子くんの憂鬱−只今加筆修正中−
□腐男子くんの入寮
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<探し物は何ですか?>
俺様な先輩もとい生徒会長様が、ようやく帰った後、僕は送ったはずの荷物を探す。
自分の部屋を散々探すも、僕の荷物はどこにも置いてなかった。
確かに送ったはずなのに…。
お気に入りのBL本読めなかったら嫌だな。
というか、誰かに見られたら、かなりやばいな。
探せば探すほど焦ってくる。
念のためにと隣の部屋を見ると、まだ相部屋の子は来ていないようで、ガランとした室内だけがあった。
もしかして、相部屋の子居ないのかも。
僕にとっては、ありがたいけど。
これでリビングでもBL本読み放題!
散らかし放題!
ってだから、その大事な本が行方不明なんだよっ!!
僕がどうしたらよいのか、思案に明け暮れてると、部屋の固定電話から着信音が鳴った。
「はい。」
「E-606号室の宮嶋様でしょうか?」
「はい、そうですけど……」
「わたくし、コンシェルジェサービスの津村と申します。お荷物の件でお伺いしたい事がございまして、今よろしいでしょうか?」
「あっ、はい!」
「本日到着予定のお荷物なんですが、まだ来ていないようでして……」
え?
ちゃんと学園指定の宅配業者で送ったのに。
そんなはずない。
「あの、ちゃんと学園の指定業者で送ったはずなんですけど」
「そうでしたか……。こちらの不手際でご迷惑をおかけして申し訳ありません。早急に宅配業者に問い合わせますので、お荷物の件もう少々お待ち頂けませんでしょうか?」
「あっ、はい。こちらこそ、すいません。」
何か大事になりそう。
逆に迷惑かけてる気がしてならない。
申し訳ない気持ちで謝ると、相手の津村さんが電話越しでやんわり微笑む気配がした。
「とんでもございません。大事なお荷物をお預かりしていたのに宮嶋様にはご不便をおかけしまして大変恐縮です。詳細が分かり次第またご連絡致します。それでは、失礼致します。」
「よっよろしくお願いします。」
電話を切って僕はため息を吐く。
どうなってるんだ一体。
まぁこれで、とりあえず、ここに荷物がない事は分かったから探すのは中断出来るけど。