愛の夢

□愛の夢−第2番−
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でも、充の体を見てそれは間違いだと知る。

雅彦は、充に執着している。
多分、弟との関係も気がついてるに違いない。

今の計画では、雅彦が充に愛想をつかすかは、賭けになってしまう。

「起こせ。ビデオにする。」
「分かった。」

充に、雅彦が愛想をつかす醜態をさせなければならないだろう。

連れが小さなビンを充に嗅がせる。

すると、充がビクリと震え、ゆっくりと目を開いた。

周りは、なぜかその様子を無言で見つめる。

このまま目が覚めなければいいのに、と矛盾した事が頭をよぎった。

俺が、全て仕組んだ事なのに…。

「お目覚めかな、お姫様。」

茶髪の男が軽い口調で充に話しかけた。

充は今居る状況が把握出来ないのか、目をせわしなく動かし震えていた。

「あはっ、可愛いね。目がくりくり。」

金髪の男が充の顔を覗き込む。

「何もわかんねーって顔、最高ー」
赤メッシュの男も興奮しながら充を覗き込む。

三人の男に見つめられ、充は更に混乱する。

「何…で……」

喉がひり付いてるのか、掠れた声が響く。

「お前、淫乱だな。こんなエロい体してさ。」

赤メッシュの男が、充の乳首を抓ると、充は初めて自分が全裸な事に気が付き、驚きながら上半身を起こす。

ベタつく下半身が視界に入ると充は、小さい悲鳴を上げた。

周りはそんな様子を見て笑う。

連れがデジカメをムービーのモードに変えた。

ふいに助けを求め彷徨う視線が、俺の目を捉える。

「あっ…」

充が怯えた目を俺に向ける。
俺は意識的に、優しく微笑んだ。

「おはよう、充君。」
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