愛の夢
□愛の夢−第2番−
2ページ/18ページ
もしも生まれ変われるのなら……
俺はお前になりたい
もしも
俺がお前だったら
もっと優しく抱き締めて
愛してると何万回でも言うのに……
いつだって、もしもを考える
もしも兄弟じゃなかったら
もしもあいつが居なかったら
もしもお前が俺を心の底から愛してたら
全てのもしもが叶うのなら
俺は全てを犠牲にしてもいい
はっと夢から覚める。
体中からねっとりとした汗が噴き出していた。
額にかかる髪の毛を片手でかきあげ、
のろのろと起き上がる。
何の夢かは覚えていないのに、受けた感覚だけが、呆然と胸に残る。
気がつく、ぽろぽろと泣いていた。
一度泣き始めると、なかなか止まらない。
泣きすぎて、段々目が痛くなる。
ピリピリと痛みまではしってきた。
ああ……きっとあいつの夢を見ていたに
違いない。