愛の夢
□愛の夢−第2番−
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月曜日の朝。
のろのろと起き支度をする。
鏡を見ながらバイト用のネクタイを締めていると、冴えない自分の顔が鏡に映る。
泣きすぎて目がはれぼったい。
なんだか、ブサイクで笑える。
ふふ、っと笑ってみるも、自嘲気味な気がして目を背ける。
あと、何回こんな思いをすれば良いのだろう。
また感傷に浸りそうになり、バイト先へと向かう。
いつもよりずっと早い時間帯だった。
まだ薄い太陽の光に、冷たい朝の空気。
普段なら寂しいと思うその光景が
なんだか今は居心地が良かった。
この静寂の中で、一人もくもくと
何を考える訳でもなく歩く。
でも、つい思い浮かべてしまうのは、お前の顔。
お前の笑い声。
お前の手のぬくもり。
そうなると、いつもの堂々巡りが始まる。
なんで、こんなに愛しく感じるのか、
ずっと考えてるが、ちっとも答えが出ない。
こんな思い捨てられればいいのに……。
でも、捨てたらきっと、俺じゃない。
空っぽの人形になってしまう。
それじゃあ二人で産まれてきた意味が
きっとなくなってしまう。
俺は、二人で産まれてきた意味を知りたいんだから。