愛の夢

□愛の夢−第2番−
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はじめて、あいつを見た時。
なんだか予感は感じていた。

俺たちの関係が壊される予感。
本当は、俺もあいつに、少しだけ惹かれていた。

それは、お前に感じる衝動よりは
遙に小さかったけど、
確かに惹かれていた。

でも、認めたくなかった。
だって、俺はお前と違う人間になりたかったから。
違う人間になって、一人の人間としてお前と愛し合いたかった。

お前が選ぶ事の逆を、昔から意識して選んでいた。

お前が「オレ」と使えば、俺は「ボク」と言った。

お前が湯水のようにお金を浪費すれば、俺は倹約を重ねバイトまでした。

二人の違いを増やしていけば、いつかお前が俺を意識してくれると思っていた。

臆病な俺の、ささやかな意思表示だった。

でも、お前全然気にしないんだもん。

おまけに、あいつをずーっと想ってて、俺はとても悔しかった。

悲しかった。

やりきれなかった。

お前の口から、あいつへの惚気を聞かされる度に、本当は、腸が煮え繰り返りそうだった。

だから、これは正当な復讐なんだ。

俺を愛してくれないお前への。

あいつをめちゃめちゃにしてやる。

もう二度と愛せないように
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