ペット
□ペット
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俺、篠木純太は、高校生のくせに150cmを超えない身長をのぞけば、ごく普通の健全な男子高校生だ。
そんな俺は、最近ごく普通じゃない出会いをした。
何を隠そう俺の横に居る超美形の女の子の事だ。
目はくりっくりだし、肌なんて透き通るくらい白い。
髪の毛は、ちょっと茶髪だけど、けばい感じではなく、ほんのり染まっててよく似合ってる。
ヘタすると芸能人よりも可愛いと思う。
そんな彼女、有原由紀さんに出会ったのは、バイト先のペットショップでだ。
彼女が飼いたいと言う、ミニチュアダックスフンドについて色々説明してる内に、気がつくと仲良くなって、あっという間に、付き合う事になった。
初めての彼女が、こんなに可愛いなんて、俺は、一生分の運を使っちゃったのかもしれない。
ただ、一つ難点を言うと、彼女と俺の身長差が30センチ以上あると言う事だ。
俺は、ぶっちゃけるとこの身長のせいで全然モテなかった。
学校でも日直で黒板消してる時、手が届かなくて日直が一緒な女子に消してもらった時は、顔から火が出るかと思うくらい恥ずかしかった。
でも、神様は俺を見捨てたりはしなかった。
おかげでこんなに可愛い彼女が出来るなんて、生きててよかった!!
俺が、ちらりと横の彼女を見上げると、彼女も優しく微笑み返してくれた。
ああ、幸せ……。
ついつい、うっとりと魅入ってしまう。
由紀は、そんな俺を見て、ひっそりと笑った。