愛の夢

□-愛の夢-エレジー
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「ああ、馬鹿だな俺……」

俺は自分の顔に腕をあて、流れる涙を何とか止めようと足掻いた。

それでも止まらなくて、シャツが、ぐっしょりと濡れる。

どうしてもっと優しくしてやれなかった。
充の幸せを奪い続けた罰だ。

やっぱり充は、俺を愛してはくれない。

分かっていた。
充の唇を奪ったあの日から……。
いつかこんな日が来る事を。

それでも俺は、僅かな希望に縋りここまで来た。

充を手に入れたくて、愛されたくて……。

本当に馬鹿だな。

俺が自嘲気味に腕を外し起き上がると、日記を抱えた充が部屋の隅で怯えるように立っていた。

「どうした…?」

脅かさないように、優しく聞くと、充は決心したように俺の近くにより、日記を差し出した。

俺に読めという事か……。
自嘲気味に受け取り、はじめの1ページから読み始めた。

1/4 15:00

何が起きたのかよく分からない。
記憶は本当に無いのか……。ひとりでタイムスリップした気分だ。



3/17 9:20

雅彦はいつも俺の側に居てくれる


7/18 14:50

雅彦は、何でこんな俺を好きなんだろう…
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