Long Story2

□夕日に染まった横顔は、Episode1
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「ヒュウガ先輩、またサボりですか?」
「あ、コナツ〜聞いてよ〜またあのクソオヤジが「あ゛ぁ〜もう、貴方の言い訳は聞きたくありません。」


高校二年の秋のあの日。俺はいつものように屋上で寝転がっていた。昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴るまであと二分。俺の目の前にいる後輩のコナツはなんとしてでも俺を連れて行きたいようだった。


「もーヒュウガ先輩が仕事をしないおかげで、僕がその尻拭いしなくちゃいけないんですからね!」


今時期は丁度、学園祭の準備が始まるくらいの時期で、この学園一の問題児であろう俺は何故か実行委員をやっていた。とは言っても会議に参加したのは初回だけで、あとはこんな風に屋上で時間が過ぎるのを待っていた。勿論今日だって会議に出ようなどとは微塵も思っていなかった。・・・けれどあの日は何だか行かなくてはいけない。・・・そんな気がして腕を引っ張るコナツに身を委ねていた。



ー-ー-ー-ー-ー-ー-ー-ー

「って先輩!居眠りしてないで案を出して下さい。」
「ん、じゃー・・・美人コンテスト(笑)」
「ヒュウガ・・・ふざけてるの?」


最初俺に言ったのはコナツで、ピンク色の小さい子がクロユリ。あれでも高1だから驚きだ。・・・でも行かなければいけない気がした会議も初回同様、さして面白くはなかった。途中、カツラギ先生がやって来て女子のメイド服について熱く語っていたが、興味も湧かなかった。会議が終わり次の授業に出るのも面倒で、俺は近くの空き教室で昼寝をすることにした。誰もいない教室の廊下側の一番後ろの席に座った俺。今日は、あの子に電話しよっかなぁ・・・とか考えながら俺は目を閉じた。







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