★天使達のセレナーデ★
□過去の思い出…
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「待ってよ。兄ちゃん。置いてきぼりにしないでヨ。」
小さな少女が泣きながら少年に寄っていく。
会話から察するに少年は少女の兄のようだ。
少年は微笑む。
「だから、取ってきてやるから待ってろって。さっきから行ってるじゃん。待ってて、神楽。」
神楽と言う少女は兄である少年をこれっぽっち離そうとしない。
離そうとする気配がまずないだろう。
「ワタシも一緒に行くアル。絶対に行くアル。」
「危ないだろ??夜だし。だいたい、アレをおとしたのは余計暗いところなんだしさ。神楽が来ると足手まといになるだけだ。」
足手まといと言う言葉が胸に突き刺さったのか余計泣きだす。
「足手まといになんかなんないアル。酷いアル。」
泣いて泣いて泣いて、泣き続ける神楽と言う少女。