夜のティータイム
□ボスを倒してハッピーエンド
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「私は、時計屋が、君のいない間、どんなふうにしていたか知っている。
だから、私は油断できなかったんだ……。
そのために、バレンタインなんて……」
そう涙声で、ナイトメアは情けない声で訴えて、ハッと顔を背けた。
バレンタイン ?
……あぁ……、そうか……、
妙に、納得する事が出来る。
彼はきっかけが、欲しかったのだ。
何をするのも、きっかけがないと、事は始まらない事が多い。
なので、塔主の権限を使って、行事を決行したようだ。
とは、言いつつ、ハッキリ言えば、この領地の人々を巻き込んでのプロポーズ。
たかだか、一介の小娘には少々、荷が重い。
しかし、どこか、意地と見栄を張る彼らしい行動だ。
ナイトメアは焦っていたのかも、しれない。
人の心を読む事も出来るのに……、
「ねぇ ?ナイトメア。
そんなことしなくっても、私は、ナイトメアの事が好きよ」
「〜〜!!」
カッと、とたんに、ナイトメアの頬が赤くなる。
「ねぇ ?ナイトメアこっちを見て……」
ナイトメアと目を合わせたくって、そう 言うと、ナイトメアはおずおずと、おびえたような瞳でこちらを向く。
「ねぇ ? ナイトメア。
もう、一度、私に言って……」
「……結婚……して……くれ……」
ナイトメアは小声で、自信なさげに、ぼそぼそとアリスに話す。
「聞こえな〜い!」
「……結婚して、くれないか ?……アリス……」
思いきったように、ナイトメアは、大声を張り上げて、アリスの顔を見た。
あまりにも、哀れすぎて、思わず同情してしまうような顔で……
「……アリス、返事は ?」