動
□1.出会い
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長い銀髪に蒼い瞳。
母親譲りのこの外見は、畏怖の感情を周りに持たせた。
「鳳凰宮さんだわ…」
「あの人、全然喋らないよね…ハーフだか何だかわかんないけど、あそこまで日本人離れしてると、怖い…」
「だよね…友達とか要らないって思ってそうだし…」
陰口なんていつものこと。私にかかわろうとする人間なんて、誰もいない。
そう思いながら歩いていると、
「鳳凰宮さん。ハンカチ落としたよ!」
そう明るい声で呼び止められた。
静かに振り返ると、ピンク色の髪の色をした、どこにでもいそうな女生徒が私のハンカチを持って立っていた。
「これ、鳳凰宮さんのでしょう?」
そういってハンカチを差し出した。私はそれを受け取って、
「ありがとう」
そう一言だけ言って踵を返した。つもりだったのだが、
「これからお昼でしょ?一緒に食べない?」
そう手を掴まれた。私はその手を振りほどき、
「同情なんていらない」
そう言った。その時、
「あかね!何やってんだよ!」
一人の男子がその女生徒に近づいた。