動
□2.龍脈
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この世界に初めてついた場所、それはアクラムたちが儀式を行っていた場所。
私はその先に腰かけて、京と呼ばれる街を見下ろすのが日課になっていた。
そんなある日、大きな揺れがこの地を襲った。
「更紗様!」
すぐそばにイクティダールが顕現した。
私はその揺れの原因を指差した。ある一点から、水の流れが広がるかのように光の筋が広がっていたのだ。
「あれは…」
隣で愕然とした声が聞こえる。
「龍脈。あれは、白龍のもの」
そう答えてその一点を見つめる。
「アクラムが呼んだ、白龍の神子のもの」
私がそういうと、
「ご存じだったのですか」
そう驚いたように言われた。
「なんとなく」
私はそういって立ち上がった。
「どこに?」
「休む」
私はそういって洞窟の中に戻った。