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□as you like
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今までも十分可愛いかったのに、自分の気持ちを自覚してからの彼女はもうどうしようもないほど可愛い


「う、碓氷。今日はその…少し肌寒いからこっちに座れよ」

『隣に座ってほしい』と素直に言えない変わりに、真っ赤な頬とぶっきらぼうな言葉が俺を誘惑する。彼女の望み通り隣に腰掛ければ更に頬を染めて嬉しそうに微笑む表情が横髪から覗く

「…碓氷」


二人っきりの時しか聞けない甘えた声色。控え目に俺の服の袖をきゅっと握って猫のように腕に擦り寄る姿に心臓が大きく揺れ動いた。
計算なんて微塵もされていない。素でこんなことをしてしまえる彼女は本当に厄介だ。
俺がどれだけ我慢してるかも知りもしないで…

ふわりと香る大好きな匂いと心地好い温もりが俺を更に追い詰める

頼むからこれ以上刺激しないで
そう願うのに無自覚な彼女はそんなこと知るよしもない

「お前…あったかいな」

うっとりとした色気を帯びた瞳とぶつかり合い、逃げるように顔を背けた。
何度も我慢を繰り返し修復してきた理性という糸はあまりにも脆く鮎沢ならいとも簡単に切ってしまうから

「…う、すい?どうかしたのか?」


そんな不安気な声で呼ばないでよ。抱きしめたくて堪らなくなる

「…ごめん、鮎沢。今は…」

「また我慢してるのか?」

「…鮎沢」

「今みたいな辛そうな顔されたら私でも分かるぞ!…どうして我慢なんかするんだよ。そんな顔するくらいならお前の気の済むようにすればいいだろ」

「ちょっ!鮎沢…意味分かって言ってる!?」

「分かってる。私だってお前のことで我慢したりすることもあるん…っん……〜ふっ」


もう無防備なんて言葉では片付けられない。鮎沢は俺のこと狂わせる天才だよ


「…はっ……んっん…あっ」

「鮎沢、もうちょっと口開いて」

「んっ…」

「そう、いい子だね」


開かれた隙間から舌を更にねじ込めばぎこちない動きが一生懸命、俺に答えた。それが気持ち良くてもっと絡み合いたくなる。


「はぁ……っう…すい…んっ」

「…何?」

「…すき…だ……ん〜っ…はっ」

「俺も大好き」


熱を上げる小さな身体を床に縫い付け、隙間などないように重なり合った。

「ふっ…んっ、ん」

「まだまだ全然足りない。もっと鮎沢を感じさせて」


綺麗な流れる黒髪を掬い上げて指に絡み付けた。この髪も呼吸も心の中も乱すことができるのは俺だけ。
それでいて俺のこと乱せるのも鮎沢だけ。

このぐちゃぐちゃに乱れて苦しいほどの思いを伝えきるにはいくら触れても足りない

『気の済むようにすればいい』
そう言ったのは鮎沢だからね?
ちゃんと責任とるように!





(おまけ)

「ごめん。髪ボサボサになっちゃったね」

加減出来なくて数え切れないほど口付けをし終えた後、鮎沢の綺麗な髪はその行為の激しさを物語るように乱れ切っていた。

「〜っ、いいから早く直せよ。この変態宇宙人」

「はいはい。お嬢様の仰せのままに」


彼女の髪に丁寧に櫛を通せばみるみるうちに元通りに戻っていく。でも一度火のついた俺の心はなかなか元には戻らなくて、つい彼女の髪にキスを落としてしまった。

「おい!碓氷。何やってんだよ」

「ん〜。鮎沢が可愛い過ぎてまだまだ触りたりないみたい」

「なっ!…んっ……まっ……はぁ…」

「ちゃんと後で直すからもう少しだけ」

「〜っ、少しだけだぞ」





end
2010.5.5

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