オリジナル小説
□銀色の騎士物語り
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俺の声も虚しくサラサラと主の身体は崩れて消えてしまった。
気を失ったままの少女に消えゆく中『守護』をつけて、満足そうに−…微笑んで…。
弱った魂で精霊の守護を使うなんて…。
「貴方は…賭けたのか?」
この小さな魂に…。
『銀の鳥よ…頼む…』
「貴方の命を懸けた依頼…引き受けよう」
と言っても、『銀の鳥』と呼ばれていたのは遥か昔の事だがな…。
「さぁ…起きなさい、もう怖い者はいないから」
気を失った少女の頬に手をあてると、うっすらと光を放つ…。
(嫌!来ないで…!!)
(大丈夫−…怖がらないで…?)
(まだ、死ねないの…私は…願いを…)
(なら…目を覚まさなきゃいけないね……)
(目を…?)
「戻っておいで…」
耳をくすぐる声に、私はゆっくり目を開けたの…言葉が出なかったわ。
私を覗き込む様に見つめていたのは、とてもとても綺麗な美しい青銀の髪をした青年だったから…。
長い髪を風に泳がせながら心配そうに私を見る眼はゴールドグリーンで、切れ長の眉、整った骨格、男性とは思えない位の中性的な顔立ちと雰囲気、どうしてこんな人が私を見つめているのかしら……?
「魔物が!?」
そうよ!!うっとりしてる場合じゃないわ!?魔物が現れて私−…!!
「大丈夫だよ…?もう魔の物はいないから」
「私、気を失ってしまっていたなんて……」
思いだしても恐ろしい…もしこの方が来て下さらなかったら…。
「ここは、もう守護無き場所……戻った方がいい…立てるか?」
「はい−…あの、私ユーリと言います。」
「初めましてユーリ、俺はフライ、よろしく…」
これがユーリとの出会いだった…。