図書館のエデン

□図書館と女の子
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「うわちゃぁ……」

夏休みで誰もいない教室の掲示板の前で、澤野は唸った。
高三の受験期を目の前にして塾にも通っていない彼は、とりあえず学校の補講を全部取ることにしていたのだが、予定の確認を怠ったがゆえに今日の化学の補講に使う教材をすっかり忘れてきたのだった。

参ったなぁ、と頭をかきつつ彼は涼を求めて冷房の効いた図書館へ足を向けた。
家まで片道一時間十分。澤野は今日の補講をサボることを決めた。
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