私は誰だ?
□可能性
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何だろう、と足を上げてみたが、足の裏にくっついて見えない。
仕方なく股間を抑えたまま大股を開きあぐらをかいて、足の裏を見ると小さなカプセルであった。
所謂薬剤のカプセルである。
半分が白く、半分が赤い細身のそれを空いている方の手でつまむと、若干赤い方に膨らみを持っている。
何かは分からない。
ただ妙に嫌な感じがして私はそれを飲むのを躊躇った。
こんな訳の分からない部屋にあった薬なんてまともな物じゃない、という考えでもあり、そもそも床に落ちていた物なんて口にできるわけない、とも思っていた。
ただ何故かそれをつまんだまま、部屋を歩き回っていた。