読物
□クルーゼ隊子供化!その後…
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クルーゼ隊の四人が子供になってから早数日…
「ラスティ(以後:ラ):ここはザフトの戦艦ヴェザリウスの食堂の一角」
「ミゲル(以後:ミ):どうした?ラスティ」
穏やかな昼下がり、ラスティが一人食事もせずほおけていたので、つい気になって近くに腰をおろしたミゲル。
「ラ:その席に座っているトマト軍服の少年と、眼前にノウノウと腰をかけやがるピーマン軍服の青年」
「ミ:おいおい…ι仮にも自軍の軍服を野菜に例えるなよ」
「ラ:なら、オレンジ頭とピーマン頭の軍人が…」
滔々と語り出したラスティに、ミゲルの不審気な視線が突き刺さる。
「ミ:コラ!誰がピーマン頭だ!!」
「ラ:ピーマンで悪きゃぁイエローパプリカ」
ミゲルの鋭い突っ込みにも、ラスティがへこむ事はない。
「ミ:喧嘩売ってんのか!…まったく…お前も他の奴等同様子供になったら…」
「ラ:何?オレまで子供になって欲しかった?」
今度はラスティのニヤケタ視線がミゲルが圧倒される。
「ミ:そりゃぁ〜お子様の方が可愛げがあっるし、お前だけ子供にならないなんて不思議だよな〜?」
「ラ:まっ、オレまで子供になったらミゲルが面倒みんだけどね」
「ミ:お前も子守が板に付いてきたなぁ…つか、ヤサグレてたのは子疲れか?」
会話に疲れた様子でミゲルが頬杖をついた時―――
ドタバタプッシュ〜
「ミ・ラ:アデス艦長!?」
「艦長:たっ…助けてくれ!!」
「ラ:どうしたの艦長ι」
「ミ:随分切羽詰まった感じがするんですが…ι」
「艦長:追われているんだ匿ってくれ!頼む!!」
「ラ:別に良いけど…」
テーブルの陰にアデス艦長を隠しながらも、理由を詳しく聞き出そうとするラスティの声を遮るように……
パタパタパタ!
「ミ:あっ来たみたいですよ」
「艦長:ヒィィッ!!」
自動ドアが開くのを待ちきれないようにして飛込んで来たのは…
「ディアッカ(以後:デ):あっれぇ〜?ラスティ!」
「ラ:ディアッカ!?」
「ミ:つか俺もいるぞ?」
存在を見留めてもらえなかったミゲルが小さくぼやくが、聞き留めてくれる者もいなかった。
「ニコル(以後:ニ):アデス艦長見ませんでしたか?」
「ラ:ニコル!?」
「ミ:お前らか?アデス艦長を追い掛け回していたのって」
「ニ:追い掛け回すなんて人聞きが悪いですよ」
「デ:俺らアデス艦長にチョ〜ット用があるだけ♪」
「ラ:そっか、けどアデス艦長ここにはいないから」
真顔で嘘を言ってのけるラスティを援護するように、すかさずミゲルが一歩踏み出す。
「ミ:アデス艦長の前にチョクラお兄さん達とお話しような〜」
「デ:ガキ扱いしないでくんない!」
(ミ:見た目は立派なガキんちょなのだが…)
そんな事を思いつつミゲルは笑顔でディアッカを抱き上げる。
「ラ:イイからイイからι」
「ニ:まぁ、お二人がそこまで言うなら…」
(ミ・ラ:アデス艦長、今のうちに逃げて!!)
ラスティもニコルを抱きかかえ、食堂を後にした。