読物

□味方と思っていた奴程実は本当の敵
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ここはボルテージ住居区のとある一室

そして俺ことアスラン・ザラは今ベットの上で上半身裸なディアッカに押し倒されている状況にある。

しかもご丁寧に顔スレスレのところに東洋ナイフがあしらわれているという状況付で。

「アスラン(以後:ア):ディアッカ」

「ディアッカ(以後:デ):…アス…ラン?」

ここまでしといて、いまだ寝ぼけている…

実際俺が寝ていた所を起こしたせいなのだが

「ア:何時まで寝ぼけている気だ?さっさと目を覚ませっ」

ディアッカはとにかく寝起きが悪い。

目覚まし時計なんかの破壊記録だけならイザークよりディアッカの方が多いくらいだ。

それでも警報が鳴れば嘘のように皮肉を言いながらも機敏に行動するので任務には支障はないが

それ以外だと、どんなに五月蠅かろうが起きないし起こそうとすれば何っかしら攻撃し

睡眠不足か夢見が悪ければそれこそてにおえない。

「デ:…お前何してるわけ?」

「ア:いい加減その寝起きの悪さ直したらどうだ!?」

そう言いながらも俺はディアッカが空いた手で攻撃を繰り出そうとしていた拳を掴む

体制はさほど変わっていない

「デ:ここボルテージ…」

「ア:あぁ、しかもイザークの私室な!」

そう、実は今いるのはディアッカの部屋ではなくイザークの部屋で

挨拶代わりに不意打ちをカマそうとして夜襲をしたら、そこにいるはずの部屋の主ではなくディアッカが寝てて現在に至るというオチである。

「デ:…何しに来たの?」

「ア:いいから退け!!」

淡々と話しているが、今だマウント取られてるうえ、相変わらず顔スレスレのところに東洋ナイフがあしらわれ

片方は相手を押し退けようとし もう片手は拳を防いでいる状態で。

ハタから見ればお約束の18禁だろうがブッチャケそれどころの話ではない!

「ア:ミネルバが挨拶に来たのは知ってるだろう?」

「デ:…お前ザフトに復帰したんだっけ?」

渋々とディアッカは身を引く。

何時もならこんなアッサリ有り得ない事だが、今ここに俺が現れた事が気になるからだろう。

東洋ナイフはこちらに向いたままだが…

「ア:しかもフェイスだ」

「デ:…相っ変わらず面倒臭く厄介なポディションに甘んじて居るよな、しかも過去何度もそれで孤独で悲惨な目にあってるのに学習しないなんてドMだろ」

「ア:ほっといてくれ!しかも歓迎してくれるんじゃないのかよ!?」

「デ:何でよ?」

ディアッカは起きているかいないかな表情で記憶を引っ張りだしていたので、仕方なく驚きそうなビックニュースを口外してみたが

帰って来たのが目覚めパッチリ何時もの歯に衣着せぬトークだった。

「ア:あのニコルの墓前でかわした友情は嘘・偽りか!?」

「デ:あ〜あれはノリっていうか、勢いっていうか…流石に仲間の墓前で死者を不安にさせるほど外道じゃな「ア:今の発言は外道以外の何者でもないぞ!!」

言葉をさえぎり俺は怒りをあらわにするが、ディアッカは面倒臭そうに軽くあしらい本題に入る

「デ:んで、ここに来たって事はイザークに何か用?」

「ア:その前にいい加減この東洋ナイフどうにかしてくれないか?」

「デ:脇差しっていう刀ね、刀」

そう言ってご愛用の刀をしまうと上着に袖を通し話を聞き始めた

「ア:実際用があるのはお前でイザークにはお前の貸出許可をもらいに来たんだ」

「デ:は?」

「ア:いやな、カラオケに誘われたんだ…」

ハタからすれば何ともなさそうだが、これが今俺が抱える切羽詰まった本来の問題。

でなきゃわざわざこんな所まで来りはしない。

「デ:婚約者のくせに全てを癒す天使の歌声を持つプラントの歌姫とは裏腹に、聞いた者を地獄へ導く『死神の歌声』と称されその歌声をザフトの作戦にも適用されかけたお前が!?」

「ア:一言多いぞ!ただラクスから連絡が一方的に来てカラオケ大会やるから友達と一緒に来てくれって…」

「デ:…っ出てけ・帰れ・二度とくんなっ!」

一瞬ディアッカは顔色を失い硬直した後、俺の首根っこを掴むと室外へと投げ捨てた

「ア:何をする!?ちゃんと証拠だってあるぞっ」

「デ:見せんでイイ!そんな呪われた不幸の手紙に俺を巻き込むなっ!!」

俺は懐からピンクのデーターデスクを眼前に差し出すと、ディアッカは顔をさらに青ざめ2・3歩あとづさる
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