読物
□学園SEEDーINー生徒会
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そんなアスランを無視するかのようにイザークが窓へと視線を逸らす。
そこには上からロープを使って入室して来るディアッカと、コアラの赤ん坊のようにディアッカにおぶさるキラがいた。
「キラ(以後:キ):窓からですけど、気配だけで分かるなんて流石ですねイザークさん」
「ディアッカ(以後:デ):イザークお前ほんと人間?」
本来イザークなら窓から入って来るなと怒鳴るところなのだが、イザークはこの二人の性格上言っても意味が無いのでほっとく事にした。
「ニ:ディアッカ…ここは3階ですよ?」
「ア:ディアッカ!そんなところから入ってきてキラが危ないだろ!!」
だがイザークと違ってアスランは注意をするが、ディアッカは過保護もいい所だと受け流そうと思って適当にあしらった。
「デ:階段使うより早いだろ」
「ア:ディアッカ!純粋無垢なキラがお前の素行の悪さに汚染されるから、今後一切近付かないでもらうぞ!!」
「デ:どーゆー意味だよ、ウスら幸せ脳天頭」
先ほどまで屋上で何やらドス黒悪魔なキラに、何を企んでいるか知らないが擁護して欲しいと脅されたあげく
弱みまで握られてしまったディアッカにとって、アスランの言動は流石に額に血管が浮き上がらせずにはいられなかった。
「キ:アスラン…ディアッカさんはそんな悪い人じゃないから僕のために喧嘩しないで…」
「ア:キラ…お前はなんて優しいんだ…」
この学園でキラの可愛らしい顔に騙され彼の本性を知っている人間は数少ない。
それは幼馴染みのアスランしかり
「イ:お前ら結局上で何していたんだ?」
「デ:秘密…ι」
会長しかりである。
「ニ:ところでお二人は今後どのように登校するおつもりですか?」
ニコルの機転で話は振り出しに戻り、キラとディアッカは黒板を見た
「キ:え、何々?フラガ先生をどうギャフンと言わせるかな作戦会議?」
「デ:違うだろキラ、あのおっさんの横暴な対策の目をくぐり抜け、どう登校するかってところじゃない?」
「ア:お前らまで…ι」
脱力するアスランを横に嬉々としてキラは手を上げた
「キ:僕の案は凄いですよイザークさん♪」
「イ:ほぅ…何だ」
「キ:聞いて驚かないでください、それは巨大トリィに乗って空中飛行登校です!」
キラが提案した登校方はおそらく確実にキラ限定だろう。
「イ:そうか…」
「ニ:わぁ、良いですねその案」
キラがどう登校しようが全く興味が無いイザークだが、ニコルは面白そうにキラの案を黒板に書き込んだ
「デ:アスラン…巨大トリィ製作ガンバッテ…」
機械製作などキラには到底無理なだと分かりきった話で、間違いなくこの無茶な提案に巻き込まれる人物に声をかける。
「ア:任せろキラ!人一人乗れる巨大トリィの5台や10台くらいいくらでも…」
「キ:そんなにいらない」
機械好きの魂に火が付いたのか作る気満々で輝くが、その意気込みはあっさり切り捨てられる。