SEED NOVELS

□◆軍服
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「着替えろ」

どう?可愛いでしょと云ったキラに対して上司兼最愛の恋人は一言こう言い放った。

「・・・・イザ?」
「着・替・え・ろ。と云っている」
「何でさ!!!」

せっかくルナちゃんから送って貰ったのに!!
前々から欲しいと思っていた女性用改造軍服(ミニスカ)である。
イザークに可愛いと褒めて貰いたくて届いてすぐ着たのに・・・この有様だ。

「何でって・・・正規の軍服ではないだろう。それに・・・───いや、とにかく着替えろ」

イザークは何か云い淀んだが反発中のキラは気付かない。

「い───やっ!!納得いかないよ!!皆着てるじゃんか!!」
「・・・・確かハーネンフースは着てなかったと思うが・・・・?」
「うっ・・・シホちゃんは着てないけど・・・・でも・・・でもっっ」
「これから会議がある。しめしがつかん。とにかく着替えろ」
「──────嫌。」
「キラッ!!」
「絶対ヤだもんっっ!!何でそんな意地悪言うのっイザのバカッ僕の気も知らないでっっ」

シュンッと扉を開けるとキラは脱兎の如くかけ出した。

「こらっキラッ!!んのバカ者がっっ」

気持ちを知らないのはどっちだと毒づきながら追い掛ける。


『何だよ・・・イザークのばかばかばか!!』
もうどうしようもなく悲しくて涙が込み上げてくる・・・。紫色の瞳は溢れんばかりに潤み今にも大粒の雫が零れ落ちそうである。

行き着く先はやっぱり格納庫、ストライクの所である。最近キラはイザークと喧嘩するとすぐストライクかデュエルに滑り込む様になっていた───。
ストライクのコクピットの中で膝を抱える・・・。

「イザのばか・・・」

只々大好きな人に褒めて貰いたい本当にそれだけだったのに何で何時もこうなってしまうんだろう・・・


「いざのばか・・・」



「バカで悪かったな」


見つけて欲しいと言わんばかりに毎回同じ場所なので当然すぐにみつかる。勿論イザークも余計な所を回らずに来ていた。

「何か用?」

突っかかる言い方。でも拗ねモードのキラでは何時もの事だから気にしない。

「───ったく・・・そんな恰好でうろうろするな」

おもむろに自らの白服を脱ぎ「何!?何で脱ぐの?」とびっくりしているキラの膝にかける。

「・・・・?」

何故そうされるのか判っていない様子に、ふぅっ・・・と溜息を漏らすとキラの頬に手を伸ばす。

「あまり短いのはな・・・部屋の中だけにしてくれないか?」

サイドの髪を耳に掛ける様にして耳元で囁く。

「え・・・・?」
「他の奴等に見せる必要性はないだろう?」

だから何時もの軍服を着てくれ───と。

「・・・・イザ?」

頬に・・・瞼に・・・優しいキスの雨を降らせながら未だ訳が判っていない様子のキラを更に追い込む。

「そうゆう姿は俺だけが知ってれば良いだろう?」

するりと膝から太腿へと撫で上げる。

「ひゃっ///イッイザーク」
「───キラ・・・着替えてくれ」
「・・・・うん」

やっと・・・でも何となくだけど理由を察したキラは素直に頷き、イザークの首に腕を絡ませちゅっ・・・と啄むような触れるだけのキスを送る。
キラからのごめんなさいのキス。


「ねぇ・・・・イザ」
「何だ?」
「あのね・・・僕の・・・・この恰好・・・」
「ん?ああ。凄く似合ってる。可愛いぞ」
「・・・・えへへありがとう」

お姫様抱っこで部屋に戻る中僕は欲しかった言葉を貰えて嬉しくて嬉しくてイザークにおもいっきり抱きついた。


Fin

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