SEED NOVELS

□はっぴーはっぴーらいふ WD編
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結局僕はバレンタインなのに何にも出来なくって・・・
逆にイザからホットチョコレート貰って・・・
最初の意気込みなんてなかったかのようにごく普通にただおしゃべりして一緒に過ごした。
────それはそれで幸福だったけど・・・
だから今日はほんっとうに気合いを入れてりべんじるのだ!


がっしゃぁぁぁぁぁんっっ!!!!

「キラ?どうしたっ!」
「なっなんでもなぁいっだいじょぶだよぉちょっと落としちゃっ・・・・ああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

確かに僕は大丈夫だ。確かにちょっと落としちゃっただけだ・・・・
それがイザの為に焼いている・・・いや、やっと綺麗に焼きあがったチーズケーキを。

何故イザークの部屋で焼いてるかと、ただ単に僕の部屋のオーブンがここ1週間で再起不能宜しく使用不可能になったからだ。
もう幾つ生焼けや消し炭のようなケーキを作ったことか・・・
僕こんなに料理下手だったかなぁと本気で落ち込んだりもしたけど、そこは気合いで!このオーブンは壊しちゃいけない・・・じゃなくってイザへの愛で!挑戦してやっと綺麗な焼き色で成功したのに!!
時間的にも材料的にも最後のチャンスだったのに・・・


落ちた。


「ふええええぇぇぇぇん」
「・・・見事に落としたな」
「ひどいよぉ!一生懸命・・・・いざぁ!?」

後ろから僕を抱き締めるように覗きながら(実際抱き締められてたけど・・・)何時ものようにふざけて悪態をつくイザークに文句言おうと思ったら・・・

「ん・・・甘さもちょうどいいな。旨いぞ」
手掴みで食べていた。
「ちょっ・・・駄目だよ!落ちたやつだよぉ!」
「大丈夫だろう。床についてる所でもないし・・・ん、旨い。」
「・・・イザ優し・・・」
「そんな事はないだろう。俺は旨いまずいははっきり言うが・・・まぁキラが作ったのならば生焼けでも消し炭でも食べるがな。・・・キラも食べるか?本当に旨い。」
「ん・・・・美味しい・・・」


出来が良かっただけに悔やまれてならないけど、それよりもイザークの心遣いが嬉しくって・・・涙がでた。
でもそれをみられるのは恥ずかしくって・・・
体をひねってイザークの首に抱きついて片口に顔を埋めた。

「泣くな」
「・・・・泣いてないもん・・・・」

優しくゆっくりと髪や背中を撫でてくれるイザークの手がまた嬉しくって、もっと強くしがみつこうとした所離された。

「いざぁ?」
「キラ・・・」

冷たい印象があるであろうアイスブルーの瞳には溢れんばかりの優しさや暖かさがあって、でもじっと見つめられるのは照れくさくって少し視線を逸らす。

「キラ」

目元・・・目に溜まっている涙を唇で拭われて・・・涙の跡を追われ・・・唇を塞がれた。
啄むように振れるだけの物から段々と深くなって、僕はそれに応えるように侵入して来たそれに自らの舌を懸命に絡ませる。

「んっ・・・・ふぁ・・・ん・・・」

長く・・・長く感じられたキスは多分そんなに長かったものではなかったのだろうけど・・・僕の頭からケーキ落下ショックの記憶を飛ばしちゃう位官能的だった位で・・・



その後僕は寝室に運ばれて・・・・終始イザのされるがままに啼かされた。


眼が覚めたら目の前にイザの優しい微笑みがあって、めちゃくちゃ恥ずかしかったけど身体のだるさや多少の痛みも感じない位僕は幸福だった。


Fin

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