Novel〜短編〜
□・・・みたい
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「ん?なに睨んでんだよ」
『別に』
睨む力を緩めることなく俺は視線を自分の机に戻す。
そして自然な動きで再試者のリストを確認し…
『はぁあ〜…』
彼女の名前に印がついていないのを見て大きなため息をついた。
本当はため息をつくことじゃないんだけど…。
なんて言うか…虚しい。
「しっかし、お前んとこ再試者多いな。
そんな難しい問題だしたのかよ」
『いや、そこまで難しい問題は出してないよ。
せいぜいワークの応用問題ぐらいだし』
「ふ〜ん。
まぁ俺も人の事言えないんだよな…赤点ばっか!」
何が面白いのか声をあげて笑う陽人の手には
国語の再試者のリスト。
そこに書かれた彼女の名前に
俺は手加減抜きで陽人の顔をひっぱたいた。
「痛って!なにすんだよ!」
『なんか…すっごいムカつく』
「はぁっ?!そんなんで殴んなよ!!」