パンドラハーツ

□壊れた玩具
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「何処へ行かれるのですか?」

「ナイショ」

ヴィンセントはエコーに答えた。





扉を開け、部屋の電気をつける。


床にはギルバートが服をはだけさせた状態で倒れていた。
呼吸は荒く、汗がしっとりと彼の髪を濡らしている。

「やぁ兄さん。気分はどう?」

ギルバートの前にしゃがんで、ヴィンセントが尋ねた。

「兄さんが言うとおり、昨日はやめて帰ってあげたんだけど」

ボタンが外れたシャツから手を滑り込ませ、ギルバートの胸の突起をなぞれば、それまでぐったりとしていた彼がぴくんと動いた。

ヴィンセントはシャツを脱がせ、ギルバートの胸に舌を這わせ、突起を唇で挟んだ。

「どう?今日もこのまま帰って欲しい?」

「う゛ぃ、ん、せんと。もう、やめるんだ・・・」

「じゃぁ帰って良いって事?」

カリッと突起を歯でかんだ瞬間、微弱な電流が走ったかのようにギルバートが身を震わせた。

「はぁっ、あっ」

「いいの?帰って?」

もう片方の突起を指でつまみ、ひねるとギルバートの喉から嬌声が漏れた。

「どうなの?」

突起に吸い付き、先端を舌でなぞる。

「はふっ、やぁっ」

「はっきり言って。聞こえないよ?」

ヴィンセントが更に強く吸い付く。

ギルバートの視界が白くぼやけた。
媚薬の効果が残るこの体でもう一晩一人で過ごすなど、拷問にも等しい。

「い、いか、ないでっ」

思わず口をついて出てしまった言葉に、ヴィンセントは満足そうに笑った。
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