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□特別な存在
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「そう…」
―罪悪感
これが土方さんを悩ませている原因
その大半はミツバさんのようね
ミツバさんとは、土方さんと同じ真選組の沖田くんのお姉さん。
近藤さんによると、土方さんはミツバさんのことを想っていたとか…
「でも貴方は言ってたわ、くたばったやつの分も背負って前へ進むだけだって、それができないの?」
それはやっぱり愛する人だから
そうわかっているのに、わざと嫌みっぽく言い放す私は最低な女なのかしら。
「俺は最低な男か?」
「…!」
「くだらねぇよな、自分からテメェの幸せ願って手ェ退いて、ひでぇことばっかして、今さらアイツを求めてやがんだ…」
そう言って貴方は悲しそうに笑う
「無理して笑うと辛いですよ、そういう時は強がってないで泣いていいんだと思います。」
貴方は弱いんだから、そういうと土方さんは照れくさそうにまた頭をかく
「一回泣いたよ」
「前のこと思い出して泣くなんざ恥ずかしくって仕方ねェ…二度と泣くか」
「ふふっ」
参ったような顔でそう断言するけど、私にはそれがおもしろくって仕方がない
「でも、そのお悩み、…なんで私に教えてくださったんですか?」
土方さんは一瞬悩んだような顔をしたけど、すぐに口を開いた
「周りにお前くらいしかいねぇんだよ、このこと誰にもしゃべらなそうな…いかにも信用できそうなやつがさ」
「ふふっ…近藤さんは信用できないんですか?」
「あ〜…近藤さんは…信用できな…って何言わすんだ!」
でも嬉しかった
私に相談してくれたこと
貴方はたいして私のこと特別な存在として見ていないかもしれないけど…
「またいつでも相談にのりますよ」
「そうか、すまねぇな」
私は貴方にとって特別な存在でありたい…。
END
→あとがき