紅色の川

□第五話 日曜日
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「山都さんは怪盗ピオニーって知ってますか?」

先輩に田中さんが楽しそうに言った。
先輩は俺方をみる。
見られても困るんですけどね。

「まぁ、ニュースとかで有名だからね。知ってるよ」
「私大ファンなんですけど、あの人って絶対マスクの下かっこいいと思うんですよ」
「そうだね。僕もかっこいいと思うよ」
「ちょっと…」

二人して俺のこと攻めないでくださいよ。
というか、田中さんはまだいいとして、山都先輩はからかっているんですか?ちょっと!

「わかんないですよ。マスクの下が意外と不細工かもしれないですし」
「そんなことないですよ。絶対かっこいいです」
「田中さんはホントに好きだね」
「あ、山都さん」

田中さんは指をびしっと山都先輩をさした。

「私のことは牡丹と呼んでください」
「え……ああ、まぁ努力するよ」

あ、そういえば
俺もいつの間にか・・・・というか、すっかり忘れていた。



「そうだ!」

牡丹さんがなにやら思いついたようだ。

「三人で海行きませんか?」
「海ですか…」
「いいね」

俺は海は苦手だ
昔行ったきりだし

でも、まぁ
この雰囲気だと断れそうにないだろう
先輩も楽しそうだし

・・・・っていうか


「先輩、大丈夫なんですか?」

小声で言う。

「ああ、まぁ。大丈夫でしょ、別に入って泳ぐわけじゃないだろうし」
「なるほど……」
「ここからだとどこが近いかな?」

そこで、牡丹さんはゆっくりして目の前を指さす

「バスで行きましょう!」

指の先にはバス停と止まっているバス


俺達はバスに乗った。
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