図鑑所有者と選ばれしトレーナー3
□第二章 エイン寺の秘密
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「そんな事があったのか……」
「その時はアタシは気を失ってたからグレイラーさんを見る事ができなかったけどね」
「だ、誰か……」
崖の下から声が聞こえ下を見るとそこには幼い少女が今にも落ちそうになっていた。
「まずい、早く助けないと」
「待ってカイト!ここはアタシに任せて」
サクラはそう言うと少女に向かって手を伸ばした。
「今助けるからね……」
アタシが助けないとこの子もアタシと同じ思いをするかもしれない……。
それだけは絶対にさせたくない!
「掴まって!」
恐怖のため声が震えているが、必死に助けようとする。
「よし、掴まった!」
「やったなサクラ!」
「よかった……」
事が終えて体が一気に脱力感に見舞われたらしく、暫く地面にペタンと座りこんだままになっていた。
「お姉ちゃんありがとう!」
ふと顔を上げると少女が笑顔でお礼を言ってきた。
「サクラ大丈夫か?」
カイトが手をさしのべたのでそれを掴んで立ち上がった。
「これからは気を付けてね」
「は〜い!」
少女は元気に返事をすると手をふって山を下りて行った。