銀魂ゆめ1

□C何でキーホルダー?
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もう何でも来いです!ってさっきの強気な発言・・撤回してもいいでしょうか?
赤いジャージに緑の腹巻って・・・
・・見てる見てる・・3人で顔寄せ合って・

「銀ちゃーん。これきっと 災いを起こす人形アル」
いや、災いはむしろ私におきてるんですケド

「もしかして盗聴器ってことも考えられるんじゃないですか?」
おいおい、何いってんですかぁ?
こんな見るからに怪しいのに盗聴器なんてしかけても、用心されまくりだっつ〜の。

「さっちゃんアル。
きっとさっちゃんの仕業ネ。」
アンタらどんだけ想像で話すすめてるの?
よーく考えてみ。
さっちゃんだったら盗聴器なんてしかけないで 自らそこらの引き出しにでも入ってるでしょうよ。
現に今この時だって わかったもんじゃないよ〜。

「ああっ もうこんな時間じゃね〜か」
時計を見て無駄な時間を過ごしちまった!
とばかりに大きな声を出す銀さん。
「とにかく 行きましょう。時間に遅れます。」
ぶちっ・・
神楽が力まかせにストラップ部分を引きちぎったようだ。
「これ、銀ちゃんが責任もって 途中で捨てていくネ。」
「って何で俺ェ。いったい何の責任だよ。」
言いながらも銀ちゃんは右手にしっかりと
私をにぎりしめる。
っていっても私なんて ただの見るからに怪しげなキーホルダーさ・・・
好きな人のぬくもりがすぐそこにあるのに
何この敗北感・・ぐっすん



大きな手の中 全く外の様子がわからない。
ちょっと 息苦しいけど ここで死ぬなら
本望かも・・

などと考えていると すっと銀さんの手が
開きまぶしい光が目にとびこんでくる。

公園のようだ・・・ ここのゴミ箱に捨てられちゃうんだ あたし・・
涙が一粒ポロリとこぼれ・・たりすれば こんな怪しげなフィギュアでも 少しはドラマチックな展開になりそうなものだが まず
無い・・だってキーホルダーだし・・

まさに銀さんの手から ゴミ箱に私の身が
委ねられる その時

「お、銀さん」
長谷川さんの声だ。
「ゴミの持ち込みはだめだよ」

「違うんだよ。誰かが俺にこんなものをさ」
私の体をつまみ 長谷川さんの目の前に
もって行く。
「コレ・・すげーじゃん銀さん。どこで手に入れたんだよ。」
と非常に興味を示している。

「え・長谷川さん これ何だか知ってるんですか?」
と新八。

「何だ お前ら知らないのかよ。これ フィギュア界のネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲っていわれてる
一品だろ。完成度高ェなオイ。」
いえ 妹のいたずら描きのデザインの 見たまんまの 怪しいキーホルダーなんですけど

「マジでかっ」
目をキラキラさせる神楽
「じゃあ 高値買取してくれるんじゃねーの」
銀さんもくいついている。
「そりゃそうだよ。なんつたってネオアーム・・以下省略・・だぜ。捨てるんなら俺にくれよ。」

ネオアーム・・以下省略・・って実際何なの?って感じだが どうやら捨てられずにすみそうだ。

と思ったのもつかの間
急に強い力で引っ張られたと思ったら、定春
が私のストラップ部分に噛み付いてくる。

「だめだって定春 これ高価買取商品だから」
銀さんが定春の口をこじあけ 私を救出しようと引っ張った。

きゃああああ  私の体はいとも簡単に銀さんの手をすっぽぬけ宙を舞う。

ぼとりっ  痛っ。
どこに落ちたのかもわからぬまま 無常に時間が流れていく。

もうあたりは暗くなってきた。
何・・この展開・・あたしはここで朽ち果てるのか・・とひしひしと迫る絶望感

その時 救いの手が私に差しのべられた。
大きなあたたかい手。
その男は私に笑みを投げかける。
ああ あなた神様です。
救ってくれてありがとう 武蔵っぽい人・・・ 

 私は初めての江戸生活を彼のスウィートホーム(リヤカー)で送った・・・ 
 

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