琥珀

□両手いっぱいの花束を────
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君に、いつか贈ろう───













両手いっぱいの花束を───















その日、朝に見たテレビの1日の運勢は




『人生で、もっとも運気がある日!
運命の人に逢えるでしょう!』





女性のアナウンサーが嬉々として


そう、言っていたのに─────

















「そう、言ったのに・・・・・、嘘吐き!!」

運があるどころか、全然ないじゃないですか!!!と、怒るのは白銀の髪と銀灰色の瞳を持つ少女──アレン


「どうしよう……、何で今日に限って…」

アレンが怒り、困っている訳、それは毎月訪れる行き付けの花屋が休みだからだった

何でもない日常であれば困ることは無い、だが今日だけは‐‐‐自分の養父であるマナの月命日である今日だけは困りのだ

血の繋がらない自分を懸命に、そして大切に育ててくれた養父が亡くなってから、毎月欠かさずに花を仏前に供える。
養父が残してくれた僅かばかりの遺産とアルバイトで何とか遣り繰りしながら暮らしているアレンにとっては、毎月の花代はハッキリ言ってかなり負担になるのは、言うまでもないが止めるわけにはいかない


もう、この世に居ない養父に出きることは、これ位しかないのだから‐‐‐




普段は、前日に花を買い仏前に備えるのだが、昨日は急遽バイトに入ることになり、買いにこれなかった。
「明日中に備えられればいいや」と、軽く考えていた昨日の自分を恨みたくなる


しかし、月命日当日に着てみれば店のシャッターには『臨時休業』の貼り紙貼られ、堅くシャッターが閉められていた


確かについていないのかもしれない───


「早くしないと、日が暮れちゃう…。他の花屋を探さなきゃ……」

幾ら此処で立ちすくみ、自己嫌悪しても始まらない。
そんな暇があるなら、早く違う花屋を見つけなければと、思い直しその場を後にする
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