琥珀
□Lost in thought
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「何を考えていたんですか?」
珍しく周りに注意を払う余裕がない位に考え事をしていたイリスに、四人をアレンが代表してイリスに聞く
「ん……。懐かしい人の夢を見たんだ…」
(やはり、久しぶりにアレを見たせいだろうな……)
苦笑して、懐かしい人の事を姉弟同然の年下のエクソシスト達に話し始める
幼い時から両親に言われてきた
『お前は、近い内に黒の教団本部に行きエクソシストになるんだ……』
少し切ないような父の声‐‐‐‐
『ダルク家には、代々…ジャンヌ・ダルクが使っていたイノセンスの適合者が現れるの。
貴女が小さい頃から持っている剣は、タダの剣ではなくこの世に終焉をもたらそうとしている千年伯爵と言う敵と戦う為の聖なる武器なの……』
母は涙声だった‐‐‐‐‐今思えば、死地に送り出す娘を哀れに思っていたのだろう
自分の手にある剣を見て、アア‐‐コレが自分の運命なのだと思った
そして、私が10歳の誕生日を迎えると直ぐに教団からの使者は現れた‐‐‐‐