琥珀

□Lost in thought
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本部からの迎えだと紹介された二人の第一印象は、「変な人達」‐‐‐


一人は、男性で元帥らしく団服は金の装飾品に鍔の広い帽子から覗く髪は燃えるような深紅‐‐‐顔の右側は変な面で隠し、極めつけに銜え煙草



(変なおじさん……)


賢明にも口には出さなかったが、自分を見上げる瞳にありありと浮かび感情を読みとったかのように


「俺の事を変なおっさんだな…とでも言いたげだな」


事実そう思って居たので、ビックリして今度は思わず口に出してしまった


「なんで!!……アッ…」

バッと口を押さえるが、時すでに遅し


「ほぉ……」

スッパァ───と紫煙を吐き出し


「俺は、おっさんじゃねぇ!!お兄さんだ!!お・兄・さん!!
分かったか、ガキ!!」


頭を強い力でギリギリ押す


「いった!!何すんだ!!
このジジィ!!」

殴りたくても手が届かないので、せめてもの報復に言い返す


「このクソガキ!!
   まだ言うか!!!」


更に強い力で変なおっさんことクロスが押す


「痛い!!何すんだ!!!ジジィ!!!」


クロスにクソガキ呼ばわれされるイリスも、負けじと言い返す








そんな子供二人(?)を見かねて





「その位にして下さい、元帥。
子供相手に大人げない!!」


連れの女性がゲシッとクロスの頭を殴る


「イテッ!!ア・ン・ジィ……貴様!!」


グワッと怒るクロスを完全に無視して


「初めまして、イリス。
アンジェラ・フローライトと言います。
後ろで騒いでる人みたいに、アンジィと呼ぶ人もいるわ」


イリスの目線に合わせるために、膝を折り挨拶した


「…初めまして、イリス・ダルクです。
今日から、お世話になります」


クロスにとっていた行動とは、打って変わりペコリと頭を下げる


「ちょっと待て!!
何だ!!その態度の違いわ!!」

喚くクロスに


「最初っから喧嘩フッカケるような事するからです。
じゃぁ…教団本部に行こうか」


蜂蜜色の髪と深緑色の瞳は淑やかさの中に心(シン)の強さを伺わせていた女性‐‐‐


それが、アンジェラの第一印象だった













―――‐‐‐

      ‐‐‐‐


「師匠……。今と全然変わんないんですね」


ガクッと肩を落としアレン


「アンジェラ・フローライト………なんて、名前聞いたこと無いわ。
神田は、聞いたことある?」


教団での生活がイリスの次に長いリナリーが、自分の次に長く教団に居る神田に聞くが


「いや…、聞いたことねぇな。
エクソシストじゃないんじゃないか?」


神田の言葉にイリスが首を横に振る


「違うよ。エクソシストだった……私が会った当時はいちエクソシストだったけど、実力では申し分なくクロス師匠とハってたよ」


その言葉に四人は驚きを隠せない

「実力がクロス元帥と同じなんてすげぇさ…」


日本で見たクロスの実力の一端を垣間見たラビの素直な感想だった


「うん。
でも、二人が並んでる構図ってスゴい組み合わせだったよ」


いかにも人相が悪いクロスの隣に立つ淑やかそうな女性‐‐‐‐


「「「「スゴい違和感(ありますね)(あるな)(あらわ)(ありさ)」」」」


見事に揃った感想に、イリスが吹き出す
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