琥珀

□Lost in thought
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「当時、クロス師匠に意見言える人はアンジィさん位だったね。
何でも同じ師を師事してらしくて、古いつき合いらしいよ。
そんな縁もあって、元帥になってから度々姿を消すクロス師匠のお目付役をしてたんだ」


アンジェラを思いだしたのか、懐かしそうに‐‐そして悲しそうに笑う


「その人…今…はどうなさってるんですか?」


聞かなくても、自分たちが名前を知らないのだから、この世の人ではないのだろうとは思ったのだが何となく聞いてみたかった


「………ユウ以外は全員会ってるよ」


目を伏せながらイリスが言った言葉に‐‐‐


だが、リナリー、ラビ、そしてアレンも心当たりが全くなかった


「今は、名前も姿も違うからね。
アンジィさんは、装備型のイノセンスの適合者だった……丁度この辺りに十字架があった」


イリスが指さしたのは、鎖骨の真ん中の少し下辺りだった


「イノセンスは、今体内に埋め込まれているから見えないし………髪も瞳も見る事はできないからね………」



そこまで言われれば、実際に見ている三人は勿論話しだけだが聞いていた神田でさえ分かってしまった

「マリアが……アンジェラさんなんですか?」


「……………」


言葉がないことが何よりの固定‐‐‐‐


「……師匠が教団に帰らなかったのは、嫌いだからだけじゃない……上層部はマリアを作り出した禁術をクロス師匠から聞き出そうとしてる。
だけど、ナカナカ口を割らないから弟子のアレンまで巻き込んで圧力をかけてきてるんだ」

おそらく自分に監視が付かないのは、ヴァチカンに叔父が居るからだろうとイリスは音量を落とし、アレンが監視されている本当の意味をそっと教えた


はぁ……と深い溜め息を付き、そっと目を閉じる














今でも昨日のことのように思い出せる


破天荒なクロスの門下に下った自分、そしてお目付役のアンジェラ‐‐‐


三人で旅をしてる途中‐‐

AKUMAの大群に襲われた。AKUMAは味方を盾にしながらクロスに襲いかかってきた、そんなAKUMAの攻撃を身を挺して庇ってアンジェラは人としての人生を終えた


クロスは泣かなかった‐‐‐泣く代わりに禁術である死者蘇生の研究に没頭しマリアを作り上げ、イノセンスを宿した生きる屍としたのちは決して自分の傍から離すことはない









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[2007/12/5]
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