琥珀
□両手いっぱいの花束を────
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「なんで…、他の花屋も休みなの……」
知っている花屋を片っ端から訪れるが、何故か今日に限って皆店は休み‐‐‐養父の為にも諦めたくはないが、他に知っている花屋はもう無い
「帰って、マナに謝らなきゃ……」
肩を落とし、重い足取りで家路につく
孤児である自分を大切に育ててくれた養父に申し訳なくて、目頭が熱くなり目の前が涙で歪む
「マナ………、ごめんなさい……」
零れそうになる涙をグイッと手の甲で拭いった
その時───
アレンは、微かな花の香りが漂ってくる事に気付く
もしかして─と、思うと同時に何処かの民家の庭に咲く花の香りだと思い浮かぶが
「ダメもとで言ってみよう……」
花の香りを頼りに、そちらに足を向ける
細い路地を抜け、辿り着いた先にあったのは小さな、小さな花屋──