琥珀

□両手いっぱいの花束を────
4ページ/4ページ

片手で口元を被い、赤くなっている彼の姿


「え?」


状況に付いていけず、アレンも固まる


「見るな……」

プイッと横を向くが、耳まで赤いのであまり意味がない


どうしたらいいのか分からず、視線をさまよわせていると店の掛け時計が目に入る


「!もう、こんな時間!!
急いで帰らなきゃ!すいません、お会計お願いします」


掛け時計の時間は午後6時近く、早くしないと日が暮れてしまう



「金は、いらねぇよ」

「えっ?でも……」


こんなに華麗な花束を只で貰うわけには、と当たり前だが躊躇うアレンに


「お前は、ちゃんと俺の花を見てくれた。
だから、いいんだ」


何が良いのか分からないが、自分の気を惹く為に花を買いにくる女達とは違い、目の前の少女は花の美しさと荒れた手を見て綺麗だと言ってくれた


だから、お代など良いのだ───



「でも……、やっぱり…」

「早く帰らないと、マズいんだろ?
日が暮れてきたぜ……」


店の外を指さすと、確かに暗く鳴り始めていた



「本当だ…!あの、綺麗なお花有り難うございます!!」


「あぁ…、気を付けて帰れよ」


「はい!また、来ます」


店を出る前に、もう一度お礼を言い店を出た

















これが、2人の始まり───


偶然の出来事が生んだ2人の出会いのお話





『人生で、もっとも運気がある日!
運命の人に逢えるでしょう!』















END[2008/7/30]










後書き

ファンブックの神田のプロフィールの「植物栽培」から、ヒントを得て出来た作品です。
神アレオンリーの際に、無料配布しようとした豆本なんですが…………会場に着いてから、忙しく製本してる暇がありませんでした。



この後、アレンはバイトを止めて神田の花屋でバイトと働きます。


まぁ、ぶっちゃけ最後はゴールインします。
プロポーズの時は、両手にいっぱいの花束とアレンにあげたとか?
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ