琥珀
□Aster〜追憶の彼方に君を忘れない
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倒れ込んできた神田を抱き止めて、何回も名前を呼ぶけど返ってくる事のない返事‐‐‐
怖い‐‐‐‐
また、自分は大切な人を失うのかと思うと‐‐‐‐‐‐
目の前が真っ暗になった────
───ン
レン───
─誰───
僕を呼んでいるのは────
『アレン………』
何もない闇の中に現れたのは、僕を育ててくれた優しい養父‐‐‐
『マナ……父さん…っ……』
ちゃんと見たいのに、涙でよく見えない‐‐‐
「僕…っ…僕また大切な人…っ……なく…し……ちゃ…た……っ…」
また、独りぼっちになって‐‐‐それでも歩いて行かなきゃいけないのかなぁ‐‐
『…アレン……耳をすましてちゃんと聞いてごらん……。
お前の事を呼んでる……』
「だ…誰が呼んで…っ…くれるの…?」
一番呼んで欲しい声はこの世にもう居ないのに‐‐‐‐
『大丈夫だよ…アレン…
あんなに一生懸命呼んでいるのに、答えてあげないのかい?』
「…え………?」
『──‐‐‐─』
微かに聞こえる‐‐‐
「誰が……?」