琥珀

□Aster〜追憶の彼方に君を忘れない
2ページ/5ページ

倒れ込んできた神田を抱き止めて、何回も名前を呼ぶけど返ってくる事のない返事‐‐‐




怖い‐‐‐‐


また、自分は大切な人を失うのかと思うと‐‐‐‐‐‐





目の前が真っ暗になった────
















───ン

     レン───




─誰───

  僕を呼んでいるのは────



『アレン………』


何もない闇の中に現れたのは、僕を育ててくれた優しい養父‐‐‐


『マナ……父さん…っ……』


ちゃんと見たいのに、涙でよく見えない‐‐‐


「僕…っ…僕また大切な人…っ……なく…し……ちゃ…た……っ…」


また、独りぼっちになって‐‐‐それでも歩いて行かなきゃいけないのかなぁ‐‐


『…アレン……耳をすましてちゃんと聞いてごらん……。
お前の事を呼んでる……』


「だ…誰が呼んで…っ…くれるの…?」


一番呼んで欲しい声はこの世にもう居ないのに‐‐‐‐


『大丈夫だよ…アレン…
あんなに一生懸命呼んでいるのに、答えてあげないのかい?』


「…え………?」



『──‐‐‐─』


微かに聞こえる‐‐‐



「誰が……?」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ