琥珀
□Limit of endurance
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銀の閃光が第二、第三班長の横を掠めるように横切る
ダンッ!!!━━━
ヒュッンと風を切る音の次に響いた音────
部屋に居た全員が音のした方向を向けば、壁に深々と刺さった洋刀
あまりの事態に部屋から一切の音が消える
カツ───
カツ───
カツ───
一切の音が消えた部屋に響くのは、誰かが部屋を歩く音のみ
突き刺さった洋刀の元まで歩くと、深々と壁に刺さっていた洋刀を無造作に抜き鞘に収めた
「悪い。手が滑った…」
クルッと向き直ると、自分がした事を謝る
とても、手が滑ったなどと言う事で済まされない事態だが、迫力ある清々しい笑顔とあまりにきっぱりと言い切られた為、誰もそれに突っ込み入れようとはしなかった
「ね・イリス姉様………お帰りなさい…」
かろうじてリナリーが、とんでも無いことをヤラカした人物───イリスに声をかける
「うん。
ただいま、リナリー」
先程見せた迫力のある笑顔ではなく、普段の笑顔をリナリーに向け
スゥ───
、と椅子に座るリーバーに先程鞘に収めた洋刀──洋刀型のイノセンスを差し出す
「剣先が欠けたから、メンテをお願いしても良いかな?」
「・・・あ・・あぁ。
分かった」
差し出されたイノセンスをリーバー受け取ろうとした時
「「それなら、「僕が」「私が」みよう!!!」」
あまりの事態に呆然としていた第二、第三の班長達だったが、貴重なイノセンスを触れることのできる絶好の機会を見逃すまいと、リーバーの手から奪い去ろうとするが、2人がイノセンスに触れる前にイリスがヒョイッと2人の手を躱し
「・・・私、難癖ばかり付けるような人達に、大切な相棒(イノセンス)を預けたりできません」
笑顔付きで2人の班長に拒絶の言葉を放つ
イリスの言葉に重苦しい静寂が部屋を包む
暫し、重い静寂が部屋に漂うが
「リーバー班長────っ
班長みてみて!!」
部屋にジョニーの響き、入り口を見れば
「「タップ!!!」」
リナリーとリーバーがジジとジョニーによって連れてこられたタップ───ではなく、本人の言葉によればタップの妹の元に走り寄る