琥珀

□我が胸に咲きし純白(シロ)き花
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「バクのヤツが騒ぐのが、分かったような気がするぜ」

吐き捨てるような言葉に、アジア支部長が動こうとしていたのがなんとなく分かった

「ひとまず、移動するかな」

ズゥ老に促されるように歩き出す


「・・・・誰も聞いてねぇぞ」

アジア支部の守り神であるフォーは、支部内で起こっていることなら何でも分かる。
そのフォーが誰も聞いていないと、言うなら大丈夫なのだろう



「今回来たのは、¨アレ¨のためだな?」

ズゥ老の言葉に頷く


「イノセンスとダークマターは相反するもの。
中国で言うところの"陰陽思想"に当たる」


陰と陽のバランスが取れてこそ、世界は成り立つ


「陽であるイノセンスで陰であるダークマターを破壊するからこそ、力は相殺される」


そこでいったん言葉をきると、イリスの顔が険しくなる


「だが、陰であるはずのダークマターに共食いさせてた陰の力は、ドコにいく?」


陰と陽で力が相殺となるダークマターとイノセンス


しかし、第三エクソシストの力は陰であるダークマターの欠片から力を得ている。
その陰が陰をとり続ければ、陰陽のバランスが崩れいずれは‐‐‐‐


「いずれは、半AKUMAではなく完璧なAKUMAになるんじゃないかと・・・・・・考えたくはないけど、北米支部長がやったことは、AKUMAを増やしただけじゃないかと思えて仕方ない」


危惧で終わればいい、だがアレン達の前回任務での報告書を読んだ限り、危惧で終わりそうにはない



「だから、バクの意見を聞きに来たのか?」

コクリと頷く、本当はコムイに意見を聞いた方がよいのだが、彼の側には中央庁からやってきた女性が室長助手として常に側にいる


「それに、不可思議関係は、アジア支部長の方が良いかと思ってね」

なんて言っても彼は教団設立に関わった魔術師の子孫。
ソチラの方面は、コムイより詳しいかもしれないと、意見を聞きたくてズゥ老に剣を見て貰う名目でアジア支部に訪れたのだ
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