ソウサク

□アナタとボクと
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アナタに逢えた
ボクは鳴いた

嬉しくて鳴いたんだよ
アナタは笑って抱きしめてくれたよね?

でもボクは苦しかったから鳴いた

朝出掛けるアナタ
淋しいけど
「いってらっしゃい」って
鳴いた

そしたらアナタは笑顔で
「いってきます」って言ってくれた

ボクは窓枠に飛び乗って
自転車に乗ったアナタを見守った

寒い日差しだけど
ボクはそのまま日向ぼっこで

アナタを待とうかな
でもやっぱり寒いから
アナタの布団に潜り込む

そしたらスゴく眠たくなって
まぶた閉じて夢を見た

アナタが笑って喋りかけて
ボクも笑って喋ってる
手を繋いで歩いてて
アナタの頭を撫でるボク
アナタをギュッと抱きしめる


夢から覚めた
ボクは鳴いた

ありえないよと鳴いたんだ
アナタを遠くに感じたからかな?

でもボクは淋しくないよって鳴いた

もうすぐ帰ってくるアナタ
待ち遠しくて
「早く帰ってこないかな」って
鳴いた

でも帰ってきたアナタは泣き顔で
「ただいま」も言ってくれなかった

ボクはアナタに飛び乗って
今にも壊れそうなアナタを見つめた

何もできないボクだけど
ボクはそのまま見つめてて

何かあったのかな
朝とはまったく違う
アナタの心に潜り込む

そしたらスゴく悲しくなって
まぶた閉じて鳴いたんだ

アナタに何があったって
ボクはアナタの側に居る
アナタの悲しみ舐めるボク
ボクの頭を撫でるアナタ
ボクをギュッと抱きしめてくれた


ボクは鳴いた
アナタが泣かないようにと
ボクが泣くから
アナタが流す涙の分も

笑いながら泣いてるアナタ
見てるボクは解るんだ
ホントを隠すアナタ

決して繋がらない
ボクラの手
それでもボクは鳴けるから
アナタと一緒に居れるから


布団に入った一人と一匹

アナタが涙で濡れないように
ボクが温めてあげる

小さく鳴いたボク
小さく笑ったアナタを見た

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