ソウサク
□ＴＶ
1ﾍﾟｰｼﾞ/1ﾍﾟｰｼﾞ
暗い部屋の中で
ずっとヒカリを放つんだ。
何が写ってるか…なんて、気にもしない。
ワタシハココニイルンダ。
何に向かって、叫んでるんだろう。
アッチの世界には聞こえやしない。
一方通行なコトバを浴びて、脚色された真実に埋もれよう。
使い回されたチャンネルばかり見てるのか？
いつも、同じ笑顔を向けるアッチの世界。
僕も、あんな風になってるだろう。
覗き込まれないように、ケースに収まる。
滲んだ画面が壊れていく。
ぼやけた視界で見つめたテレビ。
そこに価値を求める僕。
そこで意味を探す僕。
分かりやすい字幕を入れたテレビ。
それすらできずに居る僕。
そんな事も忘れた僕。
切り替えたチャンネルにも、同じ世界が広がってる。
小さい箱の中で
ずっとキザシを待つんだ。
何を求める…なんて、僕にも分からない。
ワタシハドコニイルンダ。
何に向かって、怯えてるんだろう。
アッチの世界には助けは居ない。
頭上を行き交うコトバを浴びて、誇大された偽物に成り下がる。
使い捨ての世界ばかり見てるんだ。
いつも、同じ不安を隠すアッチの世界。
僕も、あんな風になってるだろう。
覗き込まれないように、走り続ける。
作った世界が壊れていく。
うつむいた視界で見つめたボク。
そこに価値なんてないのに。
そこも意味を持たないのに。
分かりにくくモザイクを入れたテレビ。
それだけは上手な僕。
そんな事に必死な僕。
切り替えたチャンネルにも、同じ僕が写るように。
いつまでも、ココから出られない僕は……
ずっと、テレビの中。