ソウサク 3

□雫
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もう放さないで
それはきっと君を見続ける
優しい日々をずっと


冷たい雨が奪う体温も
暗い夜が隠す表情も
きっとすべて君だった

なのに僕は君のすべてを値踏みしたんだ
何も持たない僕なのに

天秤に掲げられたのは僕の方
分かったのは何よりも軽くて
何よりも重荷になった僕自身

息ができないくらいに溺れ沈んだ体は
もう歩けないし掴めない
残ったのは 僕を引きずり込んだモノ達だけ

君は行くよ
どこまでも誰かと寄り添って
嫉妬で溢れた瞳の中に写った未来に
ようやく見つけられた笑顔が悲しくて

気付くだろう
この冷たい雨
触れれば君が温かかった事
分かるだろう
この暗い夜
握った手を放さない理由


だけどもう
それさえ叶わず僕は溶けてく

優しい悪夢の中へ



傷つけた日の君も
見守ってくれた君も
ずっと居ると思ってた

だから僕は君のすべてを見ようとせずに
何もできない僕のまま

最後に見つけられたのはあの泣き顔
失ったのは何よりも大切で
二度と帰れぬ世界と僕自身

息ができないくらいに溺れ沈んだ体は
もう歩けないし掴めない
残ったのは 僕を引きずり込んだモノ達だけ

君は言った
どこまでも僕と寄り添って
幸福で溢れた道の上に二人の未来に
ようやく見つけられた笑顔言った未来に

知らない僕と知りたかった君が居た

気付かせてくれ
この傷口いつか
あの時君が言いたかった事
分かってるよ
この僕の涙は
流してからじゃ遅いんだ


だからもう
それさえ叶わず僕は溶けてく

振り返れない溺れた世界へ

もう放さないで
それはきっと君を見続ける
優しい日々をずっと

それがずっと
続きますようにと

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