MIU404

□看病はお任せあれ
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冷蔵庫の中のものを適当に使って、親子雑炊と野菜たっぷりの味噌汁にした。
少しずつ取り分けてもう一回桜月のところへ。
浅い呼吸を繰り返しながら眠ってる。
起こすの悪い気もするけど、薬飲ませたいし肩を叩いて声をかける。



「桜月、桜月?」
「ん……ぅ、」
「雑炊と味噌汁作ったけど、食べられそう?」
「いらない……」



会話すらしんどそうな桜月。
お盆に乗せた雑炊と味噌汁をちらっと見て、顔を背けるけど少しでも食べないと薬飲めないからなぁ。
そーっと頭に手を乗せてゆっくり撫でれば、うっすらと瞼を上げてみせた。



「ちょっとでいいから食べよ?薬飲んであったかくして寝ればすぐ治るから」
「ん……」



起き上がろうとするからお盆を一回置いて抱き起こす。
背中のところに枕を入れてやって、座らせればさっきよりも体調悪そうな桜月。



「食べれる?」
「ん……」



熱高いのかぽーっとしてる。
俺の話もあんまり聞こえてない感じ。
よし、分かった。



「はい、あーん」
「……ん、」



スプーンで少しすくって、冷ましてから桜月の口元に持っていけば素直に口開けて食べた。
うわ、きゅるきゅる〜。
いつもは『はい、あーん』なんて恥ずかしいっつって絶対やらないのに。
しんどそうだけど、こういう桜月もきゅんきゅんするわ〜。



「ん、もう一口」
「………ん」



桜月の話から考えれば昨日からろくに食べないで寝てたっぽいし、食欲ないって言ってもさすがに腹減ってたっぽい。
大体食べてくれたから安心。

薬を出して手に乗せてやれば、ちょっと嫌そう。
あ、そういや錠剤苦手って前に言ってたかも。



「飲める?」
「………」
「口移しする?」
「やだ」



はい、即答〜。
眉間に皺寄せたまま薬を口に含んで水で流し込む。
これで早く良くなるといいんだけど。

身体起こしたついでに着替えもさせて、もう一回ベッドに。
さっきよりは少し顔色もいいし、解熱剤飲んだから少し熱下がるかな。



「俺、これ洗ってくるから。何かあったら呼んで?」
「あい、ちゃん……」
「ん?」



桜月がうっすら目を開けて俺を探してる。
顔を覗き込めばちょっと安心した顔。



「どした〜?」
「ここに、いて……」



きゅるきゅる〜!
思わず叫びそうになった。あっぶな。
そんなこと言われたら、何もかんもぜーんぶ投げて添い寝しちゃうよ〜。
一度持ち上げたお盆を置いて布団をめくれば、不満そうに布団を戻す桜月。



「なに……」
「添い寝?」
「それは、いらない」



うーん、難しいね〜。
じゃあどうしようかな、と思ってたら布団の中からもぞもぞと手が出て来た。
そして何か言いたげな桜月の顔。



「ん?」
「……手、つないでて」
「もちのロン」



今の俺の顔を志摩が見たらきっとドン引きするくらい、ゆるっゆるになってるんだろーな。
まぁ別にいいけど。
こんな甘えてくる桜月なんて、こういう時じゃないと見られないし。
俺以外見せたくないし。



「ちゃーんとここにいるから、安心して寝なよ」
「ん……」



そーっと頭を撫でれば目を閉じてすぐに寝息を立て始めた。
ツンツンなのは相変わらずだけど、やっぱいつもの元気な桜月がいいな〜……。
早く良くなってイチャイチャしよーぜ。


*看病はお任せあれ*
(何℃?)
(35.8℃。平熱)
(低〜。でもやっと顔色良くなったな〜)
(藍、…………色々、ありがと)
(ん、どーいたしまして。お礼はほっぺにちゅーでいいよ)
(……ほっぺでいいの?)
(桜月、やっぱまだ寝てて)
(何でよ)
(まだ熱ある!熱下がったのにそんなこと言わない!)


fin...


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